フレキシブルダクトの基礎知識
フレキダクトの種類
- スチール(亜鉛めっき鋼板)製フレキシブルダクト
- ステンレス製フレキダクトダクト
- アルミ製フレキシブルダクト(シングル/ダブル/三重など、アルミをどれくらい重ねたかによる種類もある)
- アルミワイヤーフレキシブルダクト
- 保温付フレキシブルダクト(グラスウールをビニール等でサンドイッチして、ダクト形状に丸めた奴)
- 樹脂製フレキシブルダクト(不燃認定品で無いことが多いし、不燃認定品だとしても価格が高いので、普通は建築空調設備では利用されない。なので、以降は言及しない)
詳細は下記でチェックすると良い。
画像などは、下記HPがわかりやすくて良い。
フレキシブルダクト – 株式会社アローエム (arrow-m.co.jp)
あとは、下記からフレキシブルダクト項目から、カタログが見れて結構わかりやすい。
ダクト | ダクト製造・販売のフカガワ (ductnet.com)
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和4年版での考え方
仕様について
1.14.9 フレキシブルダクト
吹出口及び吸込口ボックスの接続用として使用するフレキシブルダクトは、不燃材料で、可とう
性、耐圧強度及び耐食性を有し、有効断面が損なわれないものとする。また、保温を施すダクトに
使用する場合は、断熱材付きのものとする。
不燃材料については、鉄・ステンレスはもちろん、アルミも不燃材料認定されているため、利用可能。
また、グラスウールのフレキシブルダクトについても、不燃認定品とされているものがほぼ全てなので、利用可能。
耐圧強度、耐食性については知見がない…。が、基本的には全種類、利用可能と思う。
長さと適用範囲について
公共標仕では、1.5m以下としているね。しかも、吹出口、吸込口ボックスへの利用に限ってる。
フレキシブルダクトは、吹出口及び吸込口ボックスの接続用として、1.5m以下で使用してもよい。
民間工事での考え方
基本は公共標仕をベースに標準仕様を決めているゼネコンが多いと思われるが、公共建築ほどガチガチではないため、監理者との協議次第で、仕様の緩和はできる可能性がある。
ただし、キッチンのレンジフード排気については、火災予防条例等で利用が制限されている場合(これは地域毎に状況が異なるため、全てで禁止されているわけではないが…)があるので、注意が必要。
※ちなみに、なぜ地域ごとに違うかというと、条例は地方公共団体が定めるので地域ごとに内容が異なる場合があったりします。
仕様について
基本的には、公共標仕でも、全種類のフレキシブルダクトが利用可能なので、民間工事でも同じ考え方で良いと思う。
長さについて
民間工事だと1.5m以上の長尺フレキも使われる事もあります。
ゼネコンの標準仕様次第、監理者との協議次第では、1.5m以上も利用が可能だと思います。
ただし、基本的には短くするのが良いです。(フレキシブルダクトは可変性があるため、逆に曲がりくねってしまって、圧力損失などが増え、風量が足りなくなる場合があったりするため)
Microsoft Word – 2008年 建大会 フレキシブルダクトの特性について-3 (cbl.or.jp)
そのため、定尺での利用が限度じゃないのかなと思います。(ここは知見が無いので、全然信憑性ないです…。)
参考までに、種類毎の定尺を纏めてみました。
- スチール(亜鉛めっき鋼板)製フレキシブルダクト:定尺は4mが多い。
- ステンレス製フレキダクトダクト:定尺は2mが多い。
- アルミ製フレキシブルダクト(シングル/ダブル/三重など、アルミをどれくらい重ねたかによる種類もある):定尺は10mが多い。
- アルミワイヤーフレキシブルダクト:定尺は10mが多い。
- 保温付フレキシブルダクト:定尺は10mが多い。
適用範囲について
ここも、公共標仕ほどガチガチに制限はされない事が多いのかなと思います。
ゼネコンの標準仕様次第、監理者との協議次第ですが、吹出口、吸込口ボックス以外にも利用が可能と思います。(トイレ排気ダクト等)
ただし、油分や湿気がある場所には利用しない方が良いです。蛇腹状の所に油分や水分が溜まって悪さをする可能性があります。(油が付着して火事になったり、水分が溜まってカビたり、錆びたりする可能性がある)
また前述した、キッチンのレンジフード排気については、火災予防条例にて禁止されている自治体があります。
例えば東京都は、フレキダクトダクトが全面禁止されています。(スチールもステンレスも駄目)
消防法・火災予防条例における規制|法令情報|製品情報|FUJIOH
まぁスチール製・ステンレスフレキシブルダクトはOKな自治体もあるらしいので、所轄消防署と協議し、確認するのが良い。
参考
建築設備フォーラムの下記スレも参考になるので、確認すると良いと思われます。
基本は公共標仕の仕様を推奨してる感じ。
https://www.setsubi-forum.jp/cgi-bin/c-board/data/design/log/tree_3469.htm
■題名 : フレキシブルダクトの使い方について
■名前 : tomo810
■日付 : 18/12/13(木) 16:38
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建築設備の監理業務に従事して3年になる者です。題名のとおり、フレキシブルダクトは取り回しが自由にでき、狭隘な天井内での施工や障害物を躱す際に適していると認識しております。同様の状況で、丸ダクトを使ってエルボで曲げて施工をするというやり方もあると思いますが、両者の使い分けはどのようになっているのでしょうか?
フレキシブルダクトだけで施工すると、丸ダクトを使用しての施工と比較して、何がデメリットになるのでしょうか?例えば、吊りの数が多くなるとか耐食性、耐久性が低下する等ありますでしょうか?
どなたかご回答いただければ幸いです。
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■題名 : Re:フレキシブルダクトの使い方について
■名前 : masa
■日付 : 18/12/13(木) 21:13
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フレキシブルダクトに関しては、法規上使用出来ない場所があります。
火気使用設備の換気ダクトとしては、火災予防条例で、鉄フレキであっても、使用は禁止されます。(油脂や煤の付着による排気量の低下や、火炎伝送を防ぐ為です)
一般ダクトの場合でも、1.5m以下で、やむをえない場合のみ使用するのが原則です。(公共建築仕様の場合は、吹出口、吸込口の接続用のみに使用が許可されています)
なお、公共建築仕様では、空調用は、保温付フレキのみ使用です。
上記の理由から、一般的に分岐ダクト(吹出口などの制気口接続用は除く)や、主ダクトにフレキシブルダクトを使用する事は出来ません。(監督員の許可の元に、小口径の場合に限り、1.5m以下で使用する場合はあります)
民間でも、原則アルミフレキは使用禁止で、鉄線補強の物のみ短距離で使用を許可します。
基本は、鉄フレキで1.5m以下と考えた方が良いでしょう。
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